i’m not the only one. あるいは、あなたに似た人

幻をみているのかと思って、でもそんなことはなく、こんなに似ている人がいるのかと驚いていたら、いちど完全に集中が切れた。気付いたらもうその人はいなくて、生徒さんでもなく、次のクラスの代講の先生だったのか、どなただったのか。


「ステップじゃない! 足元ばっかりみてるけど!」久々に怒られて目が覚めるような思い。でも足がわからないと動けない気がして、して、でもなし。「でも」はなし。


知らん顔し続けるのも卑怯な感じがするし、曖昧なままではいけないのかもしれないと思ったがむずかしいものだ。でもこんな風に春の気配のする雨の日にちょっと出かけてお茶をできるようなこと、それは、いい、ことだね(それは、いい、ことだろ?)。近所なのに片手で数えられるくらいしか入ったことがなく、でも最近たまに来る。休みの日とか早く帰ってきた夜なんかに。少し離れているところ、落ち着いているところがよい。


何にもまったく特別じゃない。でもやっぱり、もっと繋がないと意味がない。私のこのありきたりな心でも、これしか持ち合わせがないのだし、身体も。上ずって話したり踊ったりしないために息を吐きたいけれどしょっちゅうとめている。息を吸って、吸って、吸って、とめて、吐くのを忘れる。いろんなパーツパーツが、もっとひとつながりのブレスレットみたいに繋がっていくように。ブレスレット、そうね。そう。もう少しで、春。