おとぎの国

木々の高いところを風が渡っていく。星がつめたく瞬いている、冬。まだ冬。子どもの頃に夢みた真夜中の庭園みたい。いつどんな風に扉が開くかわからない。明日かも。
おとぎの国のお話みたい、ずっとこのままでもいいくらいだね、と。
夢かもしれない。夢だったら夢でもかまわないと思う。出かける前にクローゼットを閉めるとき、地下鉄の改札で回数券をお財布から出すとき、なんでもないときにふっとそう思う。そのほうがきれい。


チョコレートの缶。二粒だけ食べる。おいしくて堕落しそう。