夜、バスに乗る。

何か理由があって帰り、それが何であったのかわからなくなる。時刻表を調べる。一時間ほど時間があるみたい。
手持ち無沙汰。ここはもう、私の場所ではない、と、いうこともない。自分の持ちものを眺める。遠くをみるような気持ちで。
片付いている。じゅうぶんとは言えないまでも、それでも。きれいにしておくことできるんじゃない。できるんじゃない。少しだけ涙ぐみそうになり、やめる。こんなことでは泣かない。
常に移動しながら暮らすエスキモーは500しかものを持っていないそう。私はあまり移動しない。でもたまに動く。
20分以上前にバス停に着く。ひとつ先まで歩く。最終バス。道路と歩道のあいだの柵? そういえば最近、ガードレールをみない。柵に座って待つ。道路工事の人たちが時間を潰しているところを眺める。23時? 22時半? そのあたりから始めるのだ。いつもそうだった。いま22時。
あとになってみればなんとでも言える。現実という気がしなかった。長く居られる気がしなかった。それでもずいぶん引き延ばした。わたしはもうすぐ40歳になる(まだならない、まだとうぶんならない)。あと365日と150日くらいかな。


水路、道。わたしの新しい部屋へ。
2:05