真逆に振れる。

去年の九月は毎晩公園でビールを飲んで過ぎた。九月だけじゃない、十一月の終わりまで。もうやめようと思った日のことをはっきりと覚えている。その日私は夜中に一人でなく公園に行き、いつものところでおしゃべりをした。ちょっとだけ泣かせてもらった。「よく生きた」とその人は言った。「これまでよく生きてきた」と。


その間に忘れ得ぬ出会いがあり、忘れ得ぬものをみ、忘れ得ぬ音を聴いた。挫折があり再生があった。そしていま、ほぼ完全にしあわせに生きている。


一年経って何をしているか、玄米を食べています。土鍋で炊いた玄米のみを十日間。三日目が過ぎようというところ。夜遅いと寝不足になるけれど炊飯器を買うお金がなくてと笑ったら「そのくらい贈ろうか」と先生が。いやそれは、さすがに。いくら付き合いが長いと言って、先生と私は医者と患者ですから、買っていただくわけには参りません。「生き死にに関わる」関わりません、たかだか十日くらい。


痩せた。いまBMIが18.3くらい。飲みものは水かカフェインレスのお茶のみ。あとはごま、それから塩。大嫌いなスーパーに行き、お味噌をうっとりと眺める。十一日目にはお味噌汁をいただいていい。まだ買わない。冷蔵庫がないから。使いきれる量を使うときに買う。私はきっと自炊ができるようになる。そうしたらまたひとつ克服できる。身の回りに自分が、コントロールできないものがない。いらないものもないし、場合によっては必要なものもない。なければないでなんとかなるものです。


何が欠けてもここへ来られなかった。


そういえばあの夜に露出をめいっぱいあげて写真を撮ったのだった。何か写っているだろうか。