憧れでいて欲しい。

バレエ二度目の合同練習。二年ぶりの文化センター、このときしか来ないから、降りる駅を違って覚えていた。


今年の出演者は30名弱で、いちばん小さな子は二歳だか三歳だか。いちばん上の方は私の二回り上くらい(かな?)。大人は9人。子どもから続けている人が5人、先生、大人(から始めた人の)クラス3人。
合同練習のとき、ありとあらゆる年代の女の人がいる。小さなお子さんはお母さまもみえるから(そしてその方々の半数くらいは私より年下なのだ、いつのまにか)、ほぼ隙間なくあらゆる年代の女の人がいる。はじめて参加した八年前、まわりをみる余裕なんかなかった。大人クラスなんて誰にも相手にされていなかったし、みんな初対面で誰が誰だかわからなかった。
子どもの頃からずっとバレエがしたかったけれど、絶対に無理だったなと思う。こんな女の園、私に(そしておそらくは母にも)耐えられるわけがない。何々ちゃん、何々ちゃんママとかそういう世界。その点大人クラスはいい。一人で行って淡々と自分のことをしていればいいし、大人のみかけであるということ以外に特に何も求められていないから。期待もされていないから。前にも書いたことがあるけれど、子どもはどうやっても大人のみかけになれない。大人って、一定数はいたほうがみためのバランスが良いので、とりあえずそれだけでもいてもいい理由になるかなって思える。それはさておき、みんな自分の子どもをみてる。夢みたいな、野望みたいな、見栄みたいな、もしかしたら愛みたいな何かにあふれながら。私みたいに大人から始めた人間にも夢や目標があるなんて、誰か想像することあるかしら。それがねえ、あるのよ。胸に秘めているだけでね、あるの。なんて、言い過ぎた。お母さま方が裏方をしてくださるから参加できること、いつも忘れていないです。私なんて、ただ行って踊るだけだから。


20人も女の子がいると、みんな同じようには思えない。好きな子とそうでもない子にはっきりとわかれる。長い子はもう六、七年みてる。みんなどんどん大きくなるし、うまくなったなあとため息をつきたくなる子もいる。上手になる子には何かある。二年前はてんでさぼっていて、こりゃどうなのと思った子が劇的に成長していたりする。お姉さんは自分で目覚めて努力する子が好きよ。それまでいくらさぼってもいい。自分で気付くことが大切だって、私は思います。


先生が特別クラスの生徒さんに「あなた達はみんなの憧れでいて欲しいの、長く続けていればこんなに上手になれるんだって、そういう憧れの存在でいて欲しいの」と叱咤していた。大人クラスはいったい何かしら。夢をこじらせるとこうなるのよという反面教師かしら? ねえ知ってる? 週一回のレッスンを十年続けたとして、週二回にしたら五年で十年分。週五回なら? 私は今年、八年目です。でも質も大事。とにもかくにも、お稽古するのがいちばん大事。


という、駄文を、待ち時間に、書いており、ましたら(何しろバレエのリハーサルは待ち時間が長い)、今回のゲストの男性の先生、衝撃的に素敵な方でした。いいなああ。


今年はとにかく、くさらないようにしてる。大人になって自分の力でバレエを始められたこと、私にとって数少ない良いことのひとつだと思うから。明日もがんばりましょう。
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